2009年1月21日水曜日

OM-2のフォーカシングスクリーン

OLYMPUS OM-2のフォーカシングスクリーンは交換可能です。

フォーカシングスクリーンとはピントをあわせるためにペンタブリズムの下に配置されたスクリーンです。このスクリーンに写る画像をファインダーを通してピント調整します。だからフォーカシングスクリーン面もフィルム面もマウントから同じ距離になるように配置されています。

OM-2よりも先に発売された双子のOM-1。OM-1も同じくフォーカシングスクリーンは交換できました。このOM-1の発売された時点でフォーカシングスクリーンの交換できる35mm一眼レフカメラはNikon F2、そしてCanon F-1、ミノルタ X-1のフラグシップ機ぐらいだったでしょうか?

また、フラグシップ機のフォーカシングスクリーン交換方法はペンタプリズムを外して交換でした。すなわちカメラ上部からの交換です。

それに対してOM-1(OM-2)はレンズマウント、そうミラーボックスの中から交換します。当時では斬新な発想だと思います。

レンズを外してレンズマウント部分からミラーを傷つけないように細心の注意を払って、付属のピンセットを使ってフォーカシングスクリーンを交換します。

なかなか危険な交換方法でした(笑)。でも、これはとても合理性のある方法です。

ペンタブリズムを交換できる高価で大きな機種であれば、ペンタプリズムの方からフォーカシングスクリーンの交換もありでしょうが、OM-1やOM-2のクラスではペンタプリズムの交換までは難しい。ではフォーカシングスクリーンの交換は諦めるかというと、そこは技術者魂が許さなかったのでしょう。

カメラを使いこなし始めるとピントがとても気になります。しかし使えるレンズの種類が多いと、すべてにピントあわせのしやすいフォーカシングスクリーンは作れません。やはり使うレンズにあわせてフォーカシングスクリーンは交換できるべきなのです。特に宇宙からバクテリアまで撮影のできるカメラであればなおさらです。

視野率97%もファインダー倍率も生きてきますしね。

だからフォーカシングスクリーン交換については、技術者はとてもこだわったと私は思うのです。どうやって交換できるようにするか。これも多く試行錯誤されたのではないでしょうか。今ではレンズマウントからの交換は他のメーカーでも多く採用されています。

さてOM-2が発売された当初のフォーカシングスクリーンの種類は次の通りでした。

1-1 マイクロマット式(一般全レンズ用)
1-2 マイクロマット式(望遠,標準レンズ用)
1-3 スプリットマット式(一般全レンズ用)
1-4 全面マット(一般レンズ用)
1-5 マイクロ透過式(広角,標準レンズ用)
1-6 マイクロ透過式(望遠,標準レンズ用)
1-7 マイクロ透過式(超望遠レンズ用)
1-8 全面マット(天体,超望遠用)
1-9 透過式(内視鏡写真撮影)
1-11 十字マット式(接写,拡大撮影用)
1-12 十字透過式(顕微鏡写真,等倍以上の拡大撮影用)
1-13 マイクロ/スプリットマット式(一般レンズ用)

<一口メモ>
OM-1はM-1として1972年7月に発売されました。他のメーカーのカメラと名称が似ていたために1973年5月にOM-1と名称変更。OM-1はメカニカルシャッター、マニュアル露出。OM-2は電子シャッターと自動露出の違いがありますが、それ以外の本体のデザイン含め同じになります。交換用フォーカシングスクリーンや交換レンズ、アクセサリーも共通で使えました。

撮影:Canon EOS10D EF100mmF2.8マクロ

< OM-2のペンタプリズム OM-2のフォーカシングスクリーン OM-2の裏蓋を開けると>

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