OM-2のネタ、もう少し続きます。
OM-2を手にすると見た感じよりもズッシリします。鉄のかたまりを持っているような感触です。この感触は最近のデジタルカメラでは感じることができなくなっています。なぜだろう。
さて、OM-2の重さを感じさせる部品のひとつにプリズムがあると思います。
OM-2を正面から見ると上部に三角形の頭があります。この中にプリズムが入っています。このプリズムはペンタプリズムと言って35mm一眼レフならではのモノです。
レンズを通した画像は逆立逆像でミラーで反射してフィルムの代わりにフォーカシングスクリーンへ写り、その画像がペンタプリズムで屈折してファインダーに。撮影者はファインダーを覗くと倒立していない正立正像を見ることができます。
もし、ペンタプリズムがなければカメラを上から覗かなければならない。このペンタプリズムが利便性を増してカメラを普及させたと言っても良いと思います。
ただ、ペンタプリズムはガラス製の大きな塊。このプリズムを小さくできればカメラが軽くなるし小型にもなる。しかしながらフィルムサイズの画像を屈折させないといけないので光学的に小さくはできないです。
そこはメーカー。考えるモノです。ひとまわり小さくしても利用者には問題ないかと。当然小さくなったペンタプリズムはフィルムサイズ全てを屈折することができないので100%の視野率ではなくなってしまいます。外側の部分を切り落とした画像を覗くことになります。少し視野が狭くなるのです。
まあ、フィルムにはミラーが上がって、シャッターが開いて、フィルムに感光するので、ペンタプリズムが小さくなっても関係はないです。ペンタプリズムには関係なく写真は撮れるのですから。でもカメラを覗いたときの感じは違います。その気にさせるのです。
また、ガラス製のペンタプリズムをやめてミラーにする手法もあります。ダハミラーと言います。これは軽い。コストも安い。短所としてはペンタプリズムに比べて光路長が長くなるので暗い画像になります。ファインダー(接眼レンズ)の視野角や倍率が上げられない。
OM-2はそこに妥協しなかった。視野率97%です。ファインダー倍率も0.92倍と高い。
他のカメラと覗いて比較するとよい写真が撮れそうな気持ちにさせてくれます。
全てが被写体となり得る感じがしますね。
ここまで読むとOM-2は100%ではないのか、なんだ小さいのか。と思われたりするかも知れません。
実は当時の100%の一眼レフは少ししかなく、高額のフラグシップカメラで重たいカメラでした。販売されている多くのカメラは視野率が95%以下です。視野率100%と言われるカメラを店頭で手にしてもらうと違いを感じると思います。あれぐらいの価格帯や重さのクラスでないとできない仕様なのです。
OM-2の価格帯では97%は凄い話なのです。
市場を睨みつつ技術者のこだわりを感じる部分でもあります。
撮影:Canon EOS10D EF100mmF2.8マクロ
<OM-2の世界初ダイレクト測光 OM-2のペンタプリズム OM-2のフォーカシングスクリーン>
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