2011年12月13日火曜日

本当のエコとは?


今年3月11日、東北震災で家や車や飛行機が流されている映像を見てから、自分の中で何かが変わった。それは節電しなさいとか、太陽光発電とか、風力発電の代替エネルギーの検討など、今まで良しと思っていたモノが「?」に変わってしまった。

太陽光発電のエコ。

各家庭にソーラーパネルを設置して発電する。当然、設置するのにコストがかかる。太陽光発電の業者からは「電気を売ると3倍の値段で買い取ってもらえます。だからローンを組んで支払に充てることができます」と説明を受ける。へぇ〜と思って、電力会社からの請求書を見ると「太陽光発電促進付加金」としっかりと上乗せされている。これは太陽光発電が普及すると高くなるということだろうか。

より発電コストがかかるのは、エコなのだろうか。

少し前まで原子力発電は発電コストが安いと言われていた。だから資源の乏しい日本には向いているのだと。でも、実際は一番コストが高くなりそうだ。それは原価計算の中には廃炉費用や使用済み核燃料の費用などが含まれていない。夢の高速増殖炉「もんじゅ」などの研究開発により、新しい技術を開発することで使用済み核燃料の再利用ができて、コストは解決できるのではないかとされている。しかし、世界中でその研究の目処は立っていない。

原子力発電を止めると発電コストが上がる。それは電気料金が上がることだと話がある。

それは当然だ。発電を止めた原子力発電の廃炉費用が発生するからだ。元々コスト計算されていない、廃炉費用を支払いつつ、発電を止めた原子力発電所の建設費用などを払い続けないといけない。始めから原子力発電がなければ、電気料金は上がらなかったかも知れない。

エコの筈の原子力発電。実は環境破壊を伴いながら、何百年も放射能汚染という負債を作り続ける。

車のエコ。

ハイブリッドカーや充電して走る電気カー。電気モータで走るためのバッテリーが高額だ。だから車両価格が高くなる。今なら国の補助金で充当されるが、それでも車両に見合った価格にはならない。ガソリンが少なくて済む、ガソリンを使わない、など見えているメリットはあるが、そのガソリン代で車両価格差を埋めるほどは走らない。貴重な金属を多く使う。

LEDのエコ。

節電のためにLEDに変える。節電になるのは電球から交換したとき。実はインバータ式の蛍光灯からの交換は電気代が変わらない。そのため、LEDを作っているところは明るさを暗くすることでエコを目指す。同じ明るさ(ルーメン)なら、インバータ式の蛍光灯と同じ消費電力か、それよりも消費電力が増える。そのためスポット光で、光を絞って消費電力を落としていた。だからスポット光でない全体が明るいLEDは節電になるとメーカーは謳っていない。

風力発電のエコ。

建設費用にコストがかかる。壊れると大変だから日頃のメンテナンスがかかせない。近くの海岸沿いにいくつか並んでいるが、残念ながら全て回っているところを見ていない。回すとメンテナンスコストがかかるから、回してないとも聞く。

紙のエコ。

リサイクルの紙を使う。実は古紙の回収と再生するのコストが多くかかる。だからリサイクルの紙は普通の紙よりも高くなる。ここにコストをかけるならば、植林にコストをかけるべきではないだろうか。

生きていくためのエコ。

目の前の提示されたエコで考えるのではなく、その裏にある本当のコストを意識して、よりコストがかからない生活を模索する必要があるのではないだろうか。我々は生きていくために、正しいエコ知識を身につけなくてはならないと思う。


撮影:Canon EOS 7D EF300mm F2.8L USM