白鳥は落ち穂を拾って食べている時は、落ち穂の栄養価が高いのか、時間に余裕ができて昼寝をしたりする。しかし、落ち穂がなくなってくると朝から夜まで一生懸命に食事をしている。そして暗くなると、水の張ってある寝床へ戻る。まるで庶民の生活だ。
白鳥の子育てシベリアだ。だから巣立ちしたばかりの幼鳥を観察することはできない。でも、ハクセキレイは山陰でも巣立ちしたばかりの幼鳥を観察することができる。
何にでも興味を持つハクセキレイの幼鳥。遊び心が旺盛だ。ハクセキレイの巣が民家に近いこともあって人間にも興味を示す。だから人前にもよく飛んでくる。しかし、そこはそれ。親鳥がしっかり見守っていて、危ないようならばパッと飛んできて戻ってくるように窘める。
そのためハクセイキレイの幼鳥は渋々に私の前から飛び去るのだが、親鳥が居なければ遊んでいたかも知れない。そんな仕草を飛び去る前に見せてくれる。この親鳥たちの教育があって、自然の中の危険なことを教わっていくのだろう。
野鳥の世界も全てが遺伝子で伝わっていく訳ではない。
実際にガラパゴス諸島などに生息する生きものたちは人間を怖がらない。それは今まで人間が危害を与えていないからだ。親から子に人間という生きものの意味が伝わっていない。だから、怖がらない。手乗りセキセイインコも雛から飼うので人間を怖がらない。
そんな目で鴨たちを見ると、悲しいぐらいに人間を恐れている。きっと親鳥が「人間に捕まると食べられる」と幼鳥に伝承しているからだろう。
白鳥や鴨は渡り鳥。その多くが冬に渡ってくる。この渡りもきっと遺伝子ではなく伝承だろうと私は思う。シベリアの冬は氷に閉ざされて種などを食べることができない。だから氷で閉ざされない土地を求めて南下する。徐々に気候と外敵、食べ物の関係で現在の場所に落ち着いた。
急激な自然の変化がない限り、野鳥たちは徐々に変化する自然ならば、遺伝子ではなくて伝承で生き残っていける可能性を持っている。
食べ物みつからないね。 |
撮影:Canon EOS 7D EF300mm F2.8L USM
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