2010年2月9日火曜日

鳥の心

島根県立図書館で借りた「もの思う鳥たち」。この本のテーマにはビックリした。

図書館での貸し出しは5冊まで。もう一冊というところで何気なく手に取った本。あまり内容を見ないで借りた。家で読んでみるとビックリだ。鳥は人間と同じ心を持って生活していると書いてある。そう、心の質は同じなのだと。

これは先に読んだ「雁よ帰れ」にも似たような、仲間の雁を守る行動の不思議さについて書いてあったが、その鳥の心の部分をもっと掘り下げた本だった。

しかも書き方が直球的。鳥と接した事がない人が読むと全く理解できない本だろう。ある意味、勇気のある本だと感じだ。

でも、私も野鳥を見ていて、ふと同じ様に思うことが何度かある。

遡上する魚を狙ってアオサギやダイサギが集まる日野川の関。場所を巡ってアオサギが喧嘩をしていた。いつもと違ってかなり派手に羽を飛ばしながら喧嘩をしていた。これ以上、続くと怪我するぞと見ていると、そのアオサギに割って入るかのようにダイサギが飛んで来た。それで喧嘩は止まった。その時、私にはダイサギが仲裁に入ったように見えた。

白鳥や雁など家族で暮らす野鳥が、その家族のために守るならまだ理解できたが、この行動はあまりにも擬人化しすぎて見てしまったと反省した。でも、そのシーンがいつまで経っても頭から離れない。

「もの思う鳥たち」。それは「そうなんだと」ズバリ書いてある。

その本を読んでいると、それ以外の野鳥たちの不思議なシーンを次々と思いだ出す。アオサギがルアーをくわえてしまった時も、隣にいたアオサギがまるで自分の事のように心配をしていた。目には涙さえ見えた感じがした。

ハクチョウがタンクローリーに跳ねられた時も、数羽が事故現場を探索しているように見えた。この頃は野鳥に対しての知識もなく、あまり擬人化して見るのは良くないとさえ思った。

ペットボトルの蓋で遊ぶ海猫の幼鳥や、私に捕まえた魚を自慢したミサゴ。普通なら危険な人間の頭上を獲物を捕まえた状態で3回も旋回しない。あの松江のスター、タンチョウだって人がいなくなると、警戒心が少なくなり人間ぽいところを見せる。

野鳥の子育ても一生懸命だ。ハクセキレイの親子も危険な私が近づくと、さり気なく子に近づいて逃げることを教える。元々セキレイは好奇心旺盛な野鳥なので、教えないと逃げることはない感じだ。そして「ピオ」と鳴く小さなコチドリ。外敵を巣から擬傷して遠ざける。これは本能かも知れないが、敢えて目立つことをする。

鳥の心は人間と量は違えど質は同じ。人間だと恥ずかしくて隠してしまう心の部分を鳥はオープンに伝えてくる。そう、今の人間に欠けている部分を鳥が伝えてくる感じだ。だから、野鳥を見ていて楽しくなる。その裏をまとめたのが「もの思う鳥たち」。凄い本だ。

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