10月1日のブログに「マイクロソフトから無料のウイルス対策ソフト」がリリースと書いたが、製品名が抜けていた。Microsoft Security Essentialsだ。略してMSE。
マイクロソフトは過去にブラウザのインターネットエクスプローラ(略してIE)を無料で提供して物議をかもしている。今はWindows 7のリリース前に欧州委員会との協議が熱い。どうやらインストール時にどのブラウザを使うか選択させる方向に収まりそうだ。
私はIEとMSEではWindowsに実装する意味が違うと思う。
IEはインターネットにつながる情報の窓で、MSEはWindowsの脆弱性を補完するもの。今までMSEが提供されていない方が変だ。そのためユーザーは追加でウイルス対策ソフトを購入している。本来はWindows本体がウイルスなどをはね除けないといけないと私は考える。
そしてブラウザはIEでも良いかと思えるが、ここには企業戦略がたっぷりすり込まれている。だから至る所で拒絶反応がある。
インターネットに接続をして情報を収集や発信をする時にブラウザを使う訳だが、ブラウザに独自機能がついているとどうだろう。利便性は高まるかも知れないが、独自機能を使うためにはそのブラウザを使わなくてはいけない。
マイクロソフト社以外で独自性のあるブラウザを作っても誰も相手にはしないが、マイクロソフト社がWindowsにIEを標準搭載すると自然と使われるようになる。徐々に独自性を高めて他のブラウザを駆逐する。ここに危機感を持つ国や企業、個人が多くいる。
実際にIEはバージョンアップ毎に独自の機能を持ち、Windowsサーバとの連携を高めた。
マイクロソフト社の立場で考えると、将来はブラウザで何でもできる時代が来る。その時にブラウザを制していないとWindows離れが起きるかも知れない。
現にインターネットが普及してデータがインターネット上にあると、Windowsを使うというよりはブラウザを使う感じになってきた。そしてブラウザを内蔵している機器端末も最近では使えるようになってきた。iPhoneなどもその部類だろう。ブラウザが動けばOSはWindowsでなくても構わない環境になりつつある。
それに答えるごとく、他社のブラウザはマルチプラットフォーム(色々なOSで動く)でリリースされている。この現象を独自の機能で押さえたかったのではないだろうか。
しかし、パソコンがコモディティ化してしまった現状では、多くの国や企業、そして個人はそれを容認しなくなっている。独占欲を強めると排除されそうな勢いである。ある意味、企業としては可哀相ではある。巨人になるということは「これ」を意味し、新しい技術や価値観で身動きできなくことを言うのだろうか。
MSEについては、他社の開発したウイルス対策ソフトが既に市場を形成している。そのため本来はWindowsの脆弱性を補う機能として標準で組み込まないといけなかったが、無料で別インストールにしたと思う。MSEにはあまり危険な戦略は感じられない。あるとすればサポート期間の認識の強化だろうか。古くなったWindowsは危険だということを強く意識させる布石か。
MSEはオプションで別途購入する手間がなくなるので、あっさり受け入れられそうだ。そのうちWindowsに西暦が復活するかも知れない。ウイルス対策中心なら、それもありだろうと思える。
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