2011年3月25日金曜日

被曝量は分からない?

私なりに放射線について知り得た情報をまとめた。目的は報道等の内容を少しでも理解するため。素人がまとめたので間違いがあるかも知れない。だから備忘録として自分用のメモとする。

Q.人が被曝するとは?
A.放射線を浴びること。ただ放射線は体に留まることなく突き抜ける。突き抜ける時に遺伝子などを傷つける。傷ついた遺伝子があると後に癌になる可能性がある。危険性は放射線の強さと浴びている時間の積算になる。少ない放射線でも長い時間浴びていると危険だ。また、強い放射線を瞬間に浴びると火傷や即死する恐れがある。

Q.放射線の被曝は分かるのか?
A.全ては分からない。放射線は体を突き抜けて遺伝子などを傷つけるだけだから、被曝したことは証明できない。短時間でも強い放射線を浴びると遺伝子が考えられないぐらいに変化するので、この場合は分かる。また放射性物質を吸ったり飲んだりすると内部被曝といって、体内にある放射線物質の放射線で分かる。

Q.報道では放水時に被曝量は30ミリシーベルト以下に抑えるようにと言っていたが?
A.フィルムバッチを体に付けることで累積した放射線を知ることができる。フィルムバッチはレントゲンのフィルムと同じようなもので放射線の強さによって色が変わる。作業後にフィルムバッチを現像することで判断できる。原発内での作業はフィルムバッチを付けて、この人はどれぐらい被曝しているか累積値で管理している。目安として飛んでくる放射線をリアルタイムで測定する放射線計測器もある。設定値を超えるとアラームが鳴る計測器だ。どちらも被曝する時に体に付けていないと被曝したことが分からない。

Q.報道であった放射線とは?
A.放射線を出す物を放射性物質と言っている。放射性物質は杉花粉みたいなもの。目に見えない小さな物質。それが爆発などで上空に飛んで広範囲に飛び散る。飛び方は火山灰と同じだ。飛んだ放射性物質はやがて雪みたいに落ちてくる。その飛んできた放射性物質から放射線が出ている。主にそのことを言っている。

Q.シーベルトとベクレルとは?
A.シーベルトとは放射性物質から放射される放射線の強さ(エネルギー)。放射線の種類によって人体への影響度が違う点を考慮して数値化した単位。そして1秒間あたりの放射線の量(数)がベクレルだ。人体への影響を考える場合は放射線の種類によって影響度を考慮しているシーベルトの方が比較や判断しやすい。ベクレルだと放射線の種類を知らないと人体への影響度を判断できない。

Q.放射線量は原発から離れると安全?
A.安全とは言えない。原発は爆発して建屋が崩壊しているので、放射性物質は原発の敷地内に多く落ちている。だから放射線は多いが、放射性物質から放射線は遠くまで飛ばない。離れれば安全だが、放射性物質は風に乗って杉花粉のように飛散する。風の流れ方によって飛散する方向や距離は変わってくる。また雨が降る時に雨粒に放射性物質がくっついて放射能の雨となる。それが川に流れる。こうなると風とは関係なく運ばれる。池があると池に集まる。杉花粉と同じように風向きと天候に注意が必要。

Q.放射性物質はいつまで放射線を出すの?
A.原発から放出される放射性物質の半減期は、

  • ヨウ素131は8日
  • セシウム134は2年
  • セシウム137は30年
  • プルトニウム239は2万4000年

と言われている。半減期とは放射される放射線が半分になる期間。100マイクロシーベルトなら、ヨウ素131は8日経てば50マイクロシーベルト、16日経てば25マイクロシーベルト。セシウムは134は2年経てば50マイクロシーベルト、4年経てば25マイクロシーベルトに減少する。あと、検出される8日前にヨウ素131が既にあったとすると、その倍の200マイクロシーベルトの放射線が1時間あたりに放射されていたことになる。

Q.ほうれん草や水道水に放射性物質があるということは?
A.放射線を出し続ける目に見えない程の小さな物質が含まれていると言うこと。食すると体内に取り込まれる。ヨウ素131は二ヶ月程度、セシウム134は80日程度で排出される。体内にある間は半減期を元にして被曝し続ける。また、水源地の周辺や作物を育てている周辺にも放射性物質が落ちている。

Q.水道水のヨウ素131はいつまで続く?
A.原発から距離が離れて風が吹いてなければ、理論的には雨が止んでから8日経てば放射線は半分の量になる。さらに8日経てばその半分に。セシウム137なら30年経てば半分に。さらに30年経てばその半分に。しかし、半減期の間に水源となる川に放射能の雨が降ると放射性物質は増えてしまう。

Q.ほうれん草や水道水を食さなければ大丈夫?
A.空気、水、食べ物、接する全ての放射性物質の合計が被曝に結びつく。空気だけでは生きられないし、水だけでも生きられない。また、豚や牛なども空気を吸って水を飲んでいる。だから、水道水や土壌に放射性物質があること事態が危険と考えて良い。それら全ての放射性物質を合計する必要がある。また、被曝量は時間との掛け算になる。10時間体内にあると10倍する必要がある。その場所に居ても同じで居た時間を掛けてやる必要がある。しかし、ヨウ素131は8日で半減するので、まだ安心だが、セシウム134は2年、セシウム137は30年、プルトニウム239は2万4000年となるので、土壌を変えなければ作物を育てることはできない。プルトニウム239の飛散状況は公表されていない。

Q.被災した人の放射線を確認している報道を見たが、あれの意味は?
A.体に付着している放射性物質と体内に取り込まれた放射性物質から放出されている放射線を計測している。だから放射線が確認されても体を洗い流すだけで大丈夫。時間が経過した今は既に内部被曝(体内への被曝)の恐れもあるので、体を洗い流すだけでは足りないかも知れない。そして影響度を知るためにも放射性物質の種類や放射線の種類を知る必要がある。

Q.防護服を着ると安全?
A.報道で見る防護服は放射性物質がなるべく付かないようにする服。放射線は通してしまう。マスクも同じ。分かりやすく言うと防護服は雨カッパみたいな物で、マスクは細かい埃を吸い込まない防塵マスク。被曝を避けるためには放射性物質から離れるしかない。

Q.中性子線とは?
A.中性子線とは原子炉から中性子が飛び出すと中性子線となる。この中性子線は人の体内を突き抜ける時に人の細胞核に入ってしまい細胞核から放射線を放射する。これにより新しい細胞を作ることはできなくなる。もっとも危険な放射線で遮蔽も難しい。他に放射線はアルファ線、ベータ線、ガンマ線、エックス線などがある。

これで報道が少し分かりやすくなった気がする。しっかり理解して過剰な心配はしないようにしたい。

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