2009年12月23日水曜日

白鳥と雀

冬になると渡ってくる白鳥。そして一年中同じ場所で過ごす雀。

渡ってきた白鳥を見ていると白い羽に包まれたその体は温かそう。大きな羽を広げると羽の裏側にもタップリと羽があることが分かる。実に保温性が良さそうだ。

それに比べ冬風に吹かれる雀たち。体を丸めて羽の間に空気を溜めて寒さを凌いでいる。時折吹く風に丸めた羽は吹かれて寒さが凍みそう。

さて、白鳥と雀はどちらが幸せなんだろうと思う。

白鳥は冬になると繁殖地のシベリアから日本へ渡ってくる。これはどう考えてもシベリアの寒さが強すぎて白鳥たちには適さないからだろう。生活するのに適した環境を求めて渡ってくると考えられる。しかし、その渡りは凄い距離だ。時間はかかるだろうし危険性も高い。命をかけて渡ってくると言っても過言ではないだろう。

そして無事に日本に着けば食べる物も豊富にある。群れでなしている状態では天敵も少ない。人間もその優雅な姿の白鳥には狩りはしない。比較的落ち着いて生活ができる状態だと言えよう。

雀は春と秋は食べる物が多い。だから春から夏は子育て。天敵に捕まらなければ豊かな季節だ。でも冬は一気に辛くなる。食べる物が少なくなって気温も下がり厳しい季節。夏に過剰なぐらい目に付いた雀たちの姿も、冬から春には姿を見せなくなる。

生活を求めて渡る白鳥とその場所で頑張る雀。
私にはどちらが幸せかは決めることができない。

どちらも子育ては大変だろうけれど、それが一番幸せな時だというのは親鳥を見ていると伝わってくる。どの親鳥も雛や幼鳥への愛情を感じさせるからだ。やがて育てられた雛や幼鳥は親鳥になって、今度は自分たちの雛を一生懸命に育てる。そこには無限の幸福がきっとあるに違いない。

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