帰宅するとこたつの中にいた。
そして私が帰るとこたつから出てきて私の横に座り「おかえり」と鳴いた。先日から目の瞬膜が気になっていたので目をよく見ると、昨日と同じ半分閉じたまま。白い瞬膜で下半分の視界が遮られている。
半分白目になったその目は何だか泣いているようにも見えてしまう。その姿に私は悲しくなる。
いつものように頭を撫でてやるとゴロゴロまでは言わないが、嬉しそうに体を傾けて私の手に擦り寄る。私への挨拶が終わるとこたつの中へ戻った。
このところ春の陽気で夜も寒くはない。こたつのスイッチは入れなくても寒くはないのだが、体を震わすのでスイッチは入れたまま。
暫くすると、こたつから出てきた。私の横で足を広げておしりを綺麗にする。しかし、綺麗にならないらしい。諦めて明かりの点いていない部屋へ歩き出した。
今はいない親猫のことを私は思い出す。
部屋を汚すと思った時は、いつも居る自分の好きな場所は避けて、人目のない部屋の隅で頑張っていた。この子も同じことをするのかと思った。いつもならストーブの横にある毛布を畳んだ上で寝る。とてもお気に入りの場所。昨夜もそこで寝ていたが、今夜は近づきもしない。
私は寝る前に心配になったので、どこにいるか探した。
やはり暗い部屋の隅に隠れるようにして体を震わせて座っていた。今夜はここで過ごすのだろうか。あまり構って居場所を無くすといけないので、そのままにした。
そう言えば今夜は水をあげていない。
いつもは寝るまでに二回ぐらいは水をくれとせがむ。その度に洗面所へ行き蛇口を開ける。蛇口から出てくる水をペロペロと飲む。お椀にはいつも水を入れているのだが、これが一番のお気に入りだ。しかし、今夜はそれをすることもなく私は寝ることになった。
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