2010年9月23日木曜日

生物多様性

最近、テレビなどのメディアで「生物多様性」という言葉を見かける。

 私は野鳥たちが好きだ。その野鳥たちも、野鳥の種によって植物の種や藻を食べるもの、そして虫や蛙を食べるもの、水に飛び込んで魚を食べるもの、鳥を捕まえて食べるものなど、野鳥の世界だけでも多様性だ。

生活環境も民家の軒先を借りている燕や雀から、海岸の岩場で生活をしている隼や、渡りでやってくる鷺や白鳥や丹頂鶴など、こちらも棲み分けができている。

少し季節のサイクルが狂ったら、また田が減少していたら、など考えるとガラスコップ以上に壊れやすい環境の中で、全ての生命が関わり合っていると感じる。今の環境でその種は生き残ってきたからだ。環境が少しでも変わると次の生命につなぐことができないかも知れない。

仮に田が減少して、少し前みたいに農薬などを大量に使用していたら、オタマジャクシやバッタが死滅して、それを食べに来た鷺の食べるものがなくなる。鷺も農薬の影響で死んでしまうかも知れない。

冬になるとシベリアから白鳥が飛来してくるが、田が減少して稲穂が落ちてなかったら、何を食べて春まで生活をするのだろう。

農薬などで虫が減少すると燕が困る。あと、植物の種などを食べている雀も雛を育てるのに虫を与える。雛も大きくならない。

川の水や海が汚れると魚や藻が死滅する。魚を主食としている鵜やミサゴや鷺は食べるものがなくなる。藻は鴨たちがよく食べる。

野鳥が死ぬと鳶が食する。不本意に死んでしまった野鳥は鳶にも悪影響を与えるだろう。
食べ物が減少すると、すぐに野鳥の数に比例してしまう循環。そう、ギリギリの棲み分けだから、環境が変化すると子孫を増やす余裕はない。だから、私の好きな野鳥たちを見ていると、その目は自然と田にいく。

多くの野鳥たちには田が一つのバロメーターであり、田が減少するとか、農薬などをどんどん使おうとかなると、多くの生物が死滅することにつながって、もの凄く大変なことになりそう。今では農薬はあまり使わなくなったが、私は減反がとても気になる。

生物多様性。関わり方の主役は農業だと思う。子孫をつないでいる野鳥の多くは人間との関わり合いを既に持っている。その目の前に生きている姿だけを捉えていては彼らの生活は成り立たない。ゲージを作って保護するのもあるが、それは生物の多様性とは思わない。人間も含め、全てが絡み合っているからこそ生物の多様性だと思える。

だから自然の中で農業が栄えれば、多くの生きものたちが豊かになりそうだ。これら全てが人間次第だと思う。

撮影:Canon EOS50D EF300mm F2.8L USM,EXTENDER EF2X

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