私ひとり、小学校の学校図書館に居ると男の子が泣きながら入ってきたことがある。
彼は書架に隠れるように泣いていた。何か嫌なことでもあったのだろう。このとき、私には本が優しく彼を包み込んでいるような気がした。その学校図書館の全ての本が彼に「見守ってあげるから、泣きたいだけ泣けばいいよ」と言っていると思えた。
もし学校図書館がなければ、彼はどこで泣いていたのだろう。冷たいトイレの隅で泣いていたのだろうか。少し考えただけで私の心が痛くなる。
人は皆、泣きたくなるときは誰にでもある。そんなときは人知れず泣きたいものだ。そして泣くことで心が落ち着く。それぞれの泣き場所はあるのだろうけれど、学校図書館はそんな子どもだちの心のよりどころにもなっているのではないだろうか。
司書さんが選書してくれた学校図書館の本たちは、いつでも優しく子どもたちに寄り添ってくれる。
撮影:Canon EOS 6D EF300mm F2.8L USM,EXTENDER EF2X
0 件のコメント:
コメントを投稿