2014年3月25日火曜日

老人と子どもをつなぐ絵本

3月16日は本の学校にて「老人と子どもをつなぐ絵本」と題して宮地敏子先生の講演会がありました。宮地敏子先生は国際幼児教育学会常任理事で著書に『絵本・児童文学における老人像』(グランまま社)などがあります。

講演会場の「本の学校」
私は事前に講演に関する絵本を読む機会がありましたので何冊か読みました。心に残ったのは『ぶたばあちゃん』(あすなろ書房)です。水彩画でかかれた光がいっぱいの絵。ぶたばあちゃんとその孫むすめがつつましく生活をしていましたが、ぶたばあちゃんの最後の日に孫むすめ「ごらん!」と次々とお話をします。もう、このストーリーの展開に私は涙です。

『ぶたばあちゃん』を子どもたちに読みきかせできるかと言えば、自分が泣いてしまって読めそうもないですが、でも子どもたちにも感じてもらいたいと思いました。このときに「老人と子どもをつなぐ絵本」ってこれなんだと思いました。私は講演の日が楽しみになりました。

さて、講演は絵本を紹介しながら話が進み、絵本の話に感動、宮地先生の話に感銘することの繰り返しです。「絵本の力」って凄いことがよく分かりました。年齢を超えて時空を共有する本。思わず「おじいちゃん、将棋や囲碁だけでないよ!」と叫びたくなります。

宮地先生は「生きることを応援する力」「一人一人の魂に響く力」「大切なことを目に見えるようにする力」「人と人をつなぐ力」が絵本にはあると言います。また、絵本を読み合うことで「認めること」「支え合うこと」「遊ぶこと」「生きる尊さが伝わること」が育つと言われました。

これはいまの日本に必要なことですね。ずっと前に忘れてしまった「本当の絆」か。

いつからか核家族になり、おじいちゃんやおばあちゃんから教わることがなくなった子どもたち。一番近い関係なのに触れる機会も失われて、「認めること」「支え合うこと」「遊ぶこと」「生きる尊さが伝わること」がどこかへ飛んでしまったかも。

でも、そのためにも本がある。絵本がある。それがよく分かった今回の講演会。
宮地先生、大切な講演をありがとうございました。

撮影:Canon EOS 6D EF28mm F2.8 IS USM

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